【第54回 気象予報士試験 専門知識】問13 表面雨量指数をわかりやすく解説
こんにちは!今回は第54回 気象予報士試験 専門知識 問13を解説します!
この問題は、表面雨量指数の意味・使われ方・地点間比較の注意点について問う問題です。
受験生がつまずきやすいのは、表面雨量指数の値を、どの地点でも単純比較できると思ってしまうところです。
表面雨量指数は、短時間強雨による浸水害の危険度を表す重要な指標ですが、地域の地形や土地利用の影響を受けるため、異なる地点同士で単純に大小比較するのは危険です。
この問題で重要なポイント
- 表面雨量指数は、短時間強雨による浸水害リスクを表す指標である。
- 大雨警報(浸水害)・大雨注意報の発表基準に用いられる。
- 同じ地点では、表面雨量指数が大きいほど浸水害の危険度が高い。
- 異なる地点では、指数の大小だけで危険度を単純比較できない。
- 地形・土地利用・排水特性によって危険度の出方が変わる。
- 山間部より、都市部の方が地表面に水がたまりやすい場合がある。
- アスファルトに覆われた都市部では、雨水が浸透しにくい。
■ 問題文
表面雨量指数について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a) 表面雨量指数とは、短時間強雨による浸水危険度の高まりを把握するための指標であり、大雨警報(浸水害)・大雨注意報の発表基準に用いられている。
(b) ある地点においては、表面雨量指数の値が大きいときの方が浸水害の危険性が高いが、異なる2地点においては、値の大きい地点の方が浸水害の危険性が高いとは限らない。
(c) 勾配が大きい山間部のA地点と、平坦でアスファルトで覆われた部分が多い都市部のB地点があるとき、両方に同じ時間、同じ強度の雨が降った場合、一般に表面雨量指数の値はA地点の方が大きくなる。
| 選択肢 | (a) | (b) | (c) |
|---|---|---|---|
| ① | 正 | 正 | 正 |
| ② | 正 | 正 | 誤 |
| ③ | 正 | 誤 | 誤 |
| ④ | 誤 | 正 | 誤 |
| ⑤ | 誤 | 誤 | 正 |
■ 解答
②
(a) 正
(b) 正
(c) 誤
■ 解き方の方針
この問題は、表面雨量指数を次のように整理すると解けます。
短時間強雨
↓
地表面に水がたまりやすい
↓
浸水害の危険度が高まる
↓
表面雨量指数
ただし、指数の見方には注意が必要です。
同じ地点で比較
↓
値が大きいほど危険
異なる地点で比較
↓
単純な大小比較はできない
■ 補足講義:表面雨量指数とは
表面雨量指数とは、短時間強雨による浸水害の危険度を把握するための指標です。
大雨が短時間に降ると、雨水が地中にしみ込んだり排水されたりする前に、地表面にたまりやすくなります。
その結果、道路冠水や低地の浸水などが発生しやすくなります。
短時間に強い雨
↓
地表面に水がたまる
↓
排水が追いつかない
↓
浸水害の危険度上昇
| 指数 | 主に見る危険 | 試験でのポイント |
|---|---|---|
| 表面雨量指数 | 浸水害 | 短時間強雨による地表面の水のたまりやすさ |
| 土壌雨量指数 | 土砂災害 | 土壌中にたまった雨水量 |
| 流域雨量指数 | 洪水害 | 河川流域にたまる雨水量 |
ここで止まりやすいポイント
表面雨量指数は「浸水害」です。 土壌雨量指数の「土砂災害」と混同しないようにしましょう。
■ (a) 大雨警報(浸水害)・大雨注意報の基準に使われる?
(a)は正しいです。
表面雨量指数は、短時間強雨による浸水危険度の高まりを把握するための指標です。
そのため、大雨警報(浸水害)や大雨注意報の発表基準に用いられています。
表面雨量指数
↓
短時間強雨による浸水危険度
↓
大雨警報(浸水害)
大雨注意報
の基準
したがって、(a)は正しいです。
■ (b) 異なる地点では単純比較できない?
(b)は正しいです。
ある同じ地点で見れば、表面雨量指数の値が大きいほど、浸水害の危険性は高いと考えられます。
しかし、異なる2地点では、指数の値が大きい地点の方が必ず危険とは限りません。
同じ地点
↓
値が大きいほど危険
異なる地点
↓
地形・土地利用・排水能力が違う
↓
単純比較できない
地域によって浸水しやすさは異なります。 たとえば、同じ雨でも、都市部・低地・排水能力が低い場所では浸水しやすくなります。
ここがひっかけ
「指数が大きい=どこでも危険度が高い」と考えると間違えます。
危険度は、その地点の基準値や地域特性とあわせて判断します。
したがって、(b)は正しいです。
■ 補足講義:なぜ地点間で単純比較できないのか
表面雨量指数は、その地点の地形・土地利用・排水特性などを考慮した指標です。
そのため、同じ指数値でも、地域によって実際の危険度の意味合いが異なることがあります。
| 地域特性 | 浸水害への影響 |
|---|---|
| 低地 | 水が集まりやすい |
| 都市部 | アスファルトが多く、雨水が浸透しにくい |
| 排水能力が低い地域 | 短時間強雨で水があふれやすい |
| 勾配が大きい山間部 | 水が流下しやすく、地表にたまりにくい場合がある |
■ (c) 山間部Aの方が表面雨量指数は大きくなる?
(c)は誤りです。
問題文では、勾配が大きい山間部A地点と、平坦でアスファルトに覆われた部分が多い都市部B地点を比べています。
同じ時間、同じ強度の雨が降った場合、一般には都市部B地点の方が地表面に水がたまりやすく、表面雨量指数が大きくなりやすいです。
山間部A
↓
勾配が大きい
↓
水が流れ下りやすい
都市部B
↓
平坦
+
アスファルトが多い
↓
水がしみ込みにくい
↓
表面雨量指数が大きくなりやすい
ここで間違えやすい理由
「山間部=災害が起きやすい」と考えてAを選びたくなります。
しかし、表面雨量指数は浸水害の指標です。 山間部の土砂災害ではなく、地表面に水がたまりやすいかを見ます。
したがって、(c)は誤りです。
■ 選択肢確認表
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (a) | 正 | 表面雨量指数は、短時間強雨による浸水危険度を把握する指標で、大雨警報(浸水害)・大雨注意報の基準に用いられるため。 |
| (b) | 正 | 同じ地点では値が大きいほど危険だが、異なる地点では地域特性が違うため単純比較できないため。 |
| (c) | 誤 | 平坦でアスファルトに覆われた都市部の方が、雨水が地表面にたまりやすく、表面雨量指数が大きくなりやすいため。 |
以上より、組み合わせは(a)正、(b)正、(c)誤です。
したがって、正解は②です。
■ 受験生がつまずくポイント
1. 表面雨量指数を土砂災害の指標だと思ってしまう
表面雨量指数は浸水害の危険度を表す指標です。 土砂災害は土壌雨量指数と結びつけましょう。
2. 指数の値を地点間で単純比較してしまう
同じ地点なら値が大きいほど危険ですが、異なる地点では地形や排水能力が違うため、単純比較できません。
3. 山間部=危険と反射的に考えてしまう
この問題は浸水害の指標です。 山間部の土砂災害ではなく、地表面に水がたまりやすいかを考えます。
4. 都市部のアスファルトの影響を見落とす
アスファルトに覆われた都市部では、雨水が地中にしみ込みにくく、地表面に水がたまりやすくなります。
5. 大雨警報の種類を混同する
大雨警報には浸水害と土砂災害があります。 表面雨量指数は大雨警報(浸水害)と結びつけましょう。
■ まとめ
- 表面雨量指数は、短時間強雨による浸水危険度を表す指標である。
- 大雨警報(浸水害)・大雨注意報の発表基準に用いられる。
- 同じ地点では、値が大きいほど浸水害の危険性が高い。
- 異なる地点では、指数の大小だけで危険度を単純比較できない。
- 平坦でアスファルトが多い都市部では、雨水がたまりやすい。
正解は②
この問題で必ず押さえたいこと
表面雨量指数
↓
短時間強雨
↓
地表面に水がたまる
↓
浸水害
同じ地点
↓
値が大きいほど危険
異なる地点
↓
単純比較できない
都市部
↓
アスファルト
↓
水がたまりやすい
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第54回 専門知識 問13の解説でした!
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